理学研究科はこのたび産学共同で高度専門科学人材の育成とイノベーションの創出を目指して「京都大学理学共創イノベーションコンソーシアム」を設立しました。サイエンス講座はその中の活動の一つです。その第2回サイエンス講座をご案内します。

第2回サイエンス講座「量子情報科学の最前線」

日時

令和6年2月29日(木)13:10~17:30 講演後情報交換会

 

場所

国際科学イノベーション棟シンポジウムホール
遠隔地の方はオンライン参加可

 

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第2回サイエンス講座

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プログラム(予定)

13:10~14:30  量子情報理論

基礎物理学研究所  森前智行 准教授

原子などのミクロな世界を記述する物理理論である量子論は、古典論にはない不思議な性質を持っています。それを積極的に情報処理技術に応用するのが量子情報です。本講演では、量子情報の重要な応用先である高速計算(量子計算)と暗号技術(量子暗号)について基礎と最新の成果について説明します。

14:40~16:00  量子標準・原子時計

さきがけ専任研究員  高野哲至 特定准教授

時計の精度向上は、大航海時代・産業革命など、古くから人類の生活を変える呼び水を担ってきました。近年、量子技術の発展が、時間を計測する技術に革命的な発展をもたらしています。本講演では、最先端の原子時計である光格子時計やイオン時計の、最近の進展を紹介します。さらに、私たちの世界を原子時計で精密に観測して、まだ見ぬ新しい現象を探索しようとする試みについて紹介します。

16:10~17:30  中性原子型量子シミュレーション・量子計算

物理学・宇宙物理学専攻  高橋義朗 教授

量子情報科学はさまざまな物理系を対象として発展しています。そのなかでも、レーザー光を用いて中性原子を冷却・捕捉する技術を用いた冷却原子の系が本命候補として最近特に注目を集めています。本講演では、冷却原子を用いた最先端の量子計算・量子シミュレーションなどの研究を紹介します。

17:30~18:30  懇親会(会議室5a・5b)

軽食、飲み物を用意します。

対象

本学学生および教職員、京都大学理学共創イノベーションコンソーシアム会員、寄附者

参加申し込み

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfP0GIOrM3711jDmhOEbhEVHwr3_i_57F__6vSrMKdG1Bdujg/viewform

サイエンス講座とは

理学研究は基礎科学であり社会課題の解決を目指す産業界の研究とは距離があるように思われがちです。しかし理学研究においても、新たな知識の獲得のために新たな技術や解析法の開発を行っています。その点は産業界と共通します。
 サイエンス講座では、理学研究ならではのテーマを取り上げつつ、その研究を支え、また牽引する技術や解析方法について、実際に取り組んできた研究者ならではのエピソードも交えてお話いたします。産業界の方には、理学研究を身近に感じていただけるだけでなく、そこから新たな発想が生まれることもあると思います。また、教科書では学べない貴重な内容を含む講演です。学生の皆さんの多数の参加も期待しています。

<問い合わせ先>

コンソーシアムに関する疑問、ご相談などございましたら、お手数ではございますが、下記のフォームに必要事項をご記入のうえ送信してください。担当者より対応させていただきます。
https://business.form-mailer.jp/fms/158571ab225475