先生が語る!英語でアウトプット講習会(北部キャンパス 理学部セミナーハウス)(2012年11月14日)についてののQ&Aです。理学研究科国際教育室・鈴木講師にご回答をいただきました。
Q1>

「形容詞、副詞を最小限にする」について。データで示せる部分は具体的に示すべきだが、Abstract導入部などで伝わりやすいイメージを重視した時に使うのは良いのではないか
 

A1>
おっしゃる通り、Abstract等で字数も限られている場合には適宜、形容詞や副詞に置き換えることも有効と思います。しかし限られた字数の中でも、できる限り具体的に書く方が印象は良いと思います(「たくさん」と言う代わりに「前回の2倍」など)

Q2>

(お金のかからない)英語の勉強法、調べ方
 

A2>
講義資料の「オススメの勉強法」をもう一度参照してください。詳細は個人のタイプにもよりますし、全部説明するにはもう1回分の講義が必要ですが、とにかく毎日、(雑で良いから)沢山読む、(短文で良いから)書いてみる、(独り言でもいいから)言ってみる、ことを勧めます。音声に関しては、YouTubeやレンタル映画DVD等で字幕付きのものを利用するのが安上がりです。英語字幕で頑張ってみて、わからなかったら日本語字幕を参照し、また英語字幕を確認する。これで既に1フレーズが頭に入っているはずです。またTED.comなどは、英語の勉強にもプレゼンの勉強にも利用価値大です。会話ができるレベルになったら、スカイプによる安価な個人レッスンなどを利用するのも良いでしょう。

Q3>

類義語のニュアンスの調べ方。同じ言葉を多用してしまう。
 

A3>
ご自身の分野の論文における使用例を沢山読むこと、そして迷ったら和英辞典あるいは英和/和英辞書サイトで用例を調べる。類義語辞書の選択は個人の好みによりますが、いつでも手軽に調べられるよう、スマホやタブレットなどに入れておけるアプリもあります。

Q4>

英語読み上げソフト
 

A4>
MacではTextEdit(附属ソフト)で出来ます。Windowsでは、「英語 Text読み上げ」などで検索すると沢山出てきますので、お好きな物を無料ダウンロードしてください。

Q5>

副詞・形容詞・接続詞はどこまで削るか
 

A5>
文学作品と違い、学術論文の場合、内容さえしっかり書いてあれば、全部削っても問題無いはずです。一度削ってみて、それではどうしても意味が通じないかどうか、確認してみてください。

Q6>

質疑応答で質問が理解できない際の逃げ方についての具体的な英文例。
 

A6>
ほんの一例を示します。

(聞き取れない場合)I am sorry but could you repeat your question slowly? / could you rephrase your question?
それでもどうしてもわからなくて困っていたら、きっと座長なり誰かからの助け船が出ますので心配ありません。

(わからない内容を質問された場合)We have not examined it yet (まだ調べていません)/ We have not figure it out yet (まだ判明していません)。この際、ただ「わかりません」で終わらさずに、It requires a further research. / It will be our next task. Thank you for the suggestion. (さらなる研究が必要です/それを次の課題とします。ご助言をありがとうございます)など、必ず明るく前向きに締めることが大切です。なお、この場合は、I am sorry などと謝らないこと。研究に不備があったような印象になります。

Q7>

質疑応答できちんと答えられるアウトプットのコツ。いざ説明しようとしてもフリーズする。英語が咄嗟に出てこない。
 

A7>
英作文しようとせず、単語で答えてください。質問が出たら、答えそのもの(単語一つで十分)をズバリ、即座に口にする習慣をつけましょう。日本人以外の人々が外国語を喋るときは皆さんそうするのですが、日本人だけが、英作文を頭の中で考え始め、沈黙を作ってしまいます(これは、外国語教師の皆さんの多数意見です)。日常会話でも、Yes/No(そうです/違います、了解です/イヤです)といった重要部分はまず先に言ってしまいましょう。細かい説明は会話が進むうちに自然についてきます。

Q8>

a と the の使い方
 

A8>
これは日本人および東アジア言語圏の話者にとって永遠の悩みです。「aとtheの物語」といった薄い本から分厚い解説・演習書まで様々な書籍がありますので、お好みのものを手にとって一度読んでみてください。しかし頭ではわかっても間違えますので、論文投稿の際には必ずネイティブチェックを。プレゼンに使うフレーズには冠詞は省略しても構いません。ちなみにフランス語などの欧米言語でも、冠詞と定冠詞の使い分けルールは微妙に英語と違うので要注意。

Q9>

日本語原稿を作ってから英訳するより英語で書き出す方が良いか。
 

A9>
全くその通りです。日本語原稿は絶対に作らないでください!

Q10>

フォントの選び方、カバーレターの書き方、abstract とsummaryの使い分けなど、形式的なこと
 

A10>
学会や雑誌によって流儀があるので、同じ分野の先輩にお聞きください。またアメリカ英語とイギリス英語も投稿先に合わせて使い分けてください。

その他、英語による模擬プレゼンや質疑応答練習がしたい方は、全学共通教育科目の「学術コミュニケーション英語A・B」でリスニングの演習と共に行っていますので、よろしければ履修してください。登録なしの聴講は不可ですが、大学院生でも教務に申請すれば登録できます。