植物園の正門
プレート

 

 本植物園は、京都大学吉田キャンパス北部構内の南東角に位置し、面積は1.65ha で、京都大学の教職員と学生の研究と教育のための施設として活用されている。1923 年に設立され、90 年以上の歴史をもつ。当時の植物学教室の郡場寛教授が、生態学的特色をもった植物園にするという構想のもとで計画された。土壌は花崗岩が風化した白川砂で、そこに大小2つの池が掘られ、その土で小山が造成されている。今では、大きな池にはコウホネ Nuphar japonicum (スイレン科 Nymphaeaceae )、キショウブ Iris pseudacorus (アヤメ科 Iridaceae )、ヨシ Phragmites australis (イネ科 Poaceae )などが生えている。小さな池は湿地状になり、そこにはハンゲショウ Saururus chainensis (ドクダミ科 Saururaceae )やセキショウ Acorus gramineus (ショウブ科 Acoraceae )が生えている。現在、本植物園で最も樹高の高い木の1つがクスノキ Cinnamomum camphora (クスノキ科 Lauraceae )で、高さ25m を超えている。本植物園にはブナ科やニレ科をまとめて植えた区域もある。

 本植物園には、30目 61科 134属 213種の種子植物が管理・育成されていて、それらの植物のいくつかにはプレートが付けられている。プレートには、APG分類体系(分子系統樹に基づいた最新の分類体系)に従って植物の学名と和名が記されている。しかし、従来の植物図鑑でよく使われてきたエングラー分類体系(主に形態に基づいた分類体系)の植物名と異なる場合、植物図鑑との照合のため、後者の名前も括弧付きで併記されている。プレートには、さらに種の分布域も示されている。

 

園内の様子