藤原耕二教授
(ドイツOberwolfach数学研究所近辺にて)

ICM(国際数学者会議)はIMU(国際数学者連合)の主催のもと、4年に一度開かれる数学界最大の会合で、会議中にフィールズ賞が発表されることでも知られています。ICMには100年以上の歴史があり、28回目にあたる次回は2018年8月にブラジルのリオデジャネイロで開催されます。

 

ICMはいくつかの基調講演と、代数、数論、幾何など19のセクションにおける45分の招待講演から成ります。今回、本研究科数学・数理解析専攻 藤原耕二教授がトポロジーセクションにおける13人の講演者の一人に選ばれました。ICMでの講演は数学者にとって最高の栄誉の一つとされています。

藤原教授の研究について

対称性を記述するツールとして「群」は数学や物理において重要な概念の一つですが、藤原教授は群を幾何学的な視点から研究しています。最近、双曲幾何を使い群を研究する画期的な手法を発見し、多くの重要な成果をもたらしました。この手法は、今後もトポロジー分野に大きなインパクトを与え続けると評価されています。

 

藤原教授の研究分野は「幾何学的群論」と呼ばれ、進捗が著しい分野として、アメリカ・バークレーの数理科学研究所やケンブリッジ大学のニュートン研究所などにおける長期的な研究テーマとして取り上げられています。藤原教授はそれらの研究活動に指導的な研究者として参加し、若手研究者にも大きな影響を与えています。

 

藤原教授は「擬ツリー上の群作用の構成」についての業績に関して、2015年日本数学会秋季賞を受賞しています。

 

ICMとフィールズ賞

ICMでは数学における最先端の研究成果が発表され、その後の研究動向に大きな影響を与えるだけでなく、数学の国際化を促進し、また最近では、途上国からの参加を促す活動がIMUにより積極的に進められています。

 

1990年のICMは京都で開催され、現在IMUの総裁を務める京都大学高等教育院の森重文院長がフィールズ賞を受賞されました。フィールズ賞は40歳以下の数学者に与えられる数学界最高の名誉であり、日本人ではこれまで森教授以外に、1970年に広中平祐教授(京都大学数理解析研究所・元所長)、1954年に小平邦彦教授が受賞されました。

 

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