科学の物語をこしらえる

科学の物語をこしらえる

科学の物語をこしらえる

サイエンスライター 五十嵐 杏南
(2016年度 サイコム講師)

インペリアルカレッジで科学コミュニケーションを学んでいるとき、口ずっぱく言われたことがあります。 "Don't patronize the reader." – 読者に読んでもらえるのが当然だと思うな、と。

 

記事は、どれだけ時間をかけて書いたとしても面白くなければ読んでもらえません。読者は読む義務のない記事を我慢して読んでくれるほど親切ではなく、読者の関心を掴み、興味を持続させて初めて最後まで読んでくれるのです。

 

そこで、文章の切り口を工夫したり、メタファーを使用したりして科学の「物語」をこしらえると、専門的な内容もぐっと親しみやすくなります。物語というとフィクションのイメージがありがちですが、本質的にノンフィクションの科学にも物語は内在しています。伝えようとしている科学は、何がどうなった物語なのか。よりシンプルかつ正確にまとめられるほど、非専門家には上手く伝わります。

 

私には熟練のライターのような経験値はありませんが、ライティングだけでなく、何かを伝えようとする時に役立つテクニークをみなさんと共有できればと思います。科学の隠れた物語を発掘し、読者の身になりながら語る力をサイコムを通して培っていきましょう。