コラム『2016年熊本地震から1年半』

コラム『2016年熊本地震から1年半』

地球熱学研究施設・教授 大倉 敬宏

 
 
 

2016年4月の熊本地震から1年半が経過しようとしている。火山研究センター(以下、センター)では、今年度の夏期学生実習(阿蘇)や京大ウィークスの一般向けイベントを、地震前とほぼ同じように開催することができた。センターの被災や復旧の状況に関しては、理学部HP(*)を参照いただくとして、この稿には私が地震時に体験したことの一部を紹介しておきたい。

 

PCは飛び、本は舞う

前震時、私はセンター3階の自室で仕事中であった(南阿蘇村:震度5弱)。この時は、本やHDDが棚や机から少しだけ落ちた程度で被害はほとんどなかった。本震時はセンター4階の、棚などの倒れる物のない部屋で寝ていた。揺れは前震とは比べものにならない激しさであったが(南阿蘇村:震度6強)、体が吹っ飛ばされただけですんだ。しかし、本震後の自室の様子を見た時、もしこの部屋にいたらと思い寒気が走った。

 

残念ながらEdyは使えません

就寝時は枕元に携帯電話、懐中電灯、水、薬を置いていた。しかし、小額でよいのでお金をすぐに持ち出せるようにしておくべきであった。通信網が途絶えた阿蘇カルデラ内のコンビニでは、携帯電話の電子マネーがしばらく使えなかった。

 

鍵はどこ?

センターの公用車の鍵はすべて事務室のキャビネット側面に掛けられていた。キャビネットが倒れ、机やコピー機がひとしきり踊ったあとの部屋で鍵を見つけるのは一苦労だった。あらかじめ予備の鍵セットを災害時に取り出せる場所に保管しておくべきであろう。

 

吉田キャンパス近傍には花折断層が走っている。また、東南海・南海地震は今世紀前半に発生する可能性があるともいわれている。私の体験が皆さんの地震への備えに役立てば幸いである。

 

* http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/ja/news/detail_542.html