微生物の遊泳術:単細胞でも生き残れ!

日時

2018年12月18日(火)16:30〜

 

場所

京都大学理学部5号館115号室
アクセス 建物配置図(北部構内)【21】の建物

 

講師

石本 健太氏
(東京大学 数理科学研究科 特任助教、オックスフォード大学 数学研究所 海外特別研究員)

 

言語

日本語


開催報告

遊泳微生物の流体力学的な研究について、入門的なレビューから最新の研究成果の紹介までしていただくセミナーを開催した。部屋は満員となり、参加した学部学生からも活発な質問がなされるなど、大いに盛り上がった。

 

セミナーではまず、遊泳微生物の流体力学的な研究の歴史的な経緯が紹介され、どの部分に課題があるのかが非常に分かりやすく解説された。次に、その課題に対して石本氏のアプローチとともに、最近の研究成果の詳細が紹介された。精子が卵管の中を泳ぎ卵子を目指すプロセスで、流体力学的な帰結によって何が起こるのかの詳細や、シミュレーションなどから何が新たに発見されたのかが示された。また、そのような数理的な結果がどのような生物学的な機能と結びついているのか、そのような流体力学の利用が生物機能の複数パスの一つとして働いていることなど生物学的な意義に関しても踏み込んだ解説がなされた。最後に、現在進行形の研究を示し、今後の研究の展望を語られた。

 

聴衆は主に物理系と生物系の院生で、学部学生も数名参加した。初歩的な質問にも丁寧に応えていただき、予定終了時刻を過ぎても質疑応答がつづくなど、非常に活発な議論が為されたセミナーとなった。(文責 市川正敏)