平野 丈夫

平野 丈夫

氏名

漢字 フリガナ
平野 丈夫 ヒラノ トモオ

所属部署・職名

部局 所属 講座等 職名
理学研究科 生物科学専攻 生物物理学教室   教授

メールアドレス

thirano (at) neurosci.biophys.kyoto-u.ac.jp

 

ホームページ等のURL

http://www.neurosci.biophys.kyoto-u.ac.jp/main.html

 

プロフィール

私は東京生まれの東京育ちですが、京都に来て25年になりこの町を気に入っています。高校生の頃はどちらかというと数学・物理が得意でしたが、一方で、自分自身の頭の中はいったいどうなっているのだろうかということに興味をもっていました。大学に入学して脳のはたらきを細胞レベルから理解できるような研究をしてみたいと思うようになり、大学院へ進みました。人など哺乳類の脳・神経系は複雑で、当時細胞レベルの研究を行うことは難しかったので、単純な神経系をもつ水生の巻貝を用いた研究を始めました。その後、細胞培養と神経活動を記録するための生理学の技術開発が進み、培養神経細胞と新しい電気生理学の手法を組み合わせることによって、哺乳類の神経細胞を用いて高度な細胞レベルの研究を行うことが可能になりました。そこで私は、大学院の最終学年の時に小脳の培養細胞を用いた研究を始め、米国から帰国後に小脳の培養系でシナプス可塑性を引き起こすことに成功しました。シナプス可塑性とは、神経細胞間で情報を伝えるシナプスのはたらきがそのシナプスの使用状況等により持続的に変化する現象で、学習や記憶の基盤と考えられています。それを培養系で起こせたことにより、記憶・学習の分子機構を詳しく調べることができる実験系が確立されたのです。それからは、培養系を用いた細胞・分子レベルの研究を続ける一方、細胞レベルの変化が動物個体の行動に及ぼす影響についても研究を行ってきました。後者の研究を始めたのには、分子生物学および遺伝子工学の技術開発によりある特定の蛋白質を持たないミュータントマウス等を作ることができるようになったことが関係しています。細胞・分子レベルの研究でシナプス可塑性において重要な役割をもつ蛋白質がわかりますと、それを欠損させたり逆に多く発現させたミュータントマウスを作成することができ、そのような動物を用いれば特定の分子や細胞のはたらきが個体の学習・記憶能力にどのような影響を及ぼすかを調べられるのです。こうした研究を通して、脳・神経系がはたらくメカニズムの全体像をきちんと理解できるようにしていきたいと考えています。

 

研究テーマ

私たちの研究室では、脳・神経がはたらくメカニズムの基本原理解明に寄与したいと考えて研究を行っています。特に注目しているのは、神経細胞間で情報伝達を行うシナプスのはたらきです。シナプスでは、その使用状況等により情報伝達効率が持続的に変化する可塑性という現象が起こります。このシナプス可塑性は記憶・学習の細胞レベルの基礎機構と考えられる現象で、私たちはシナプス可塑性がどのような分子機構で起こり、またそれがどのように動物の行動を変化させるかを明らかにしたいと考えています。私たちの研究室では、培養神経細胞等を用いたシナプス可塑性制御機構に関する分子・細胞レベルの研究と、特定の分子を欠失したミュータントマウスを用いた個体レベルの研究を行っています。実験手法としては、分子生物学、細胞生物学、細胞レベルでの電気生理学(パッチクランプ法)、生細胞での分子イメージング、蛍光抗体法、形態学、行動学、個体レベルの電気生理学(In Vivoの神経活動記録)、ミュータントマウスの作成・使用、コンピューターシミュレーション等多くの手法を併用しています。また、脳の部位としては主に小脳を扱っていますが、海馬等に関する研究も行っています。私の主要研究テーマは、シナプスにおシナプス可塑性の発現・制御・維持の分子機構と小脳による運動学習・運動制御機構です。

 

研究概要

http://www.neurosci.biophys.kyoto-u.ac.jp/research.html 参照

 

研究分野(キーワード)

シナプス、可塑性、学習、記憶、小脳