川本 竜彦

川本 竜彦

氏名

漢字 フリガナ
川本 竜彦 カワモト タツヒコ

所属部署・職名

部局 所属 講座等 職名
理学研究科 地球熱学研究施設   助教

メールアドレス

kawamoto (at) bep.vgs.kyoto-u.ac.jp

 

ホームページ等のURL

http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/issue/mm/jitsuha/2013/140228.htm
http://www.kyoto-u.ac.jp/explore/professor/03_kawamoto.html
http://wwww.vgs.kyoto-u.ac.jp/InetHome/kawamoto/

 

プロフィール

学部では火山から噴出した軽石の噴出順序を、大学院では火山の下にあるマグマだまりの中でどのようにマグマが熱せられたり冷やされたりしたか、また、化学組成がどう変化したかを推定しました。卒業後は、高温高圧条件でマグマと水がどのように振る舞うのか再現する実験を始めました。
まずは、マントルや玄武岩に水が加わるとどのような化学組成のマグマを作るか理解しました。その後は、マントルの深いところにどのような水を持った鉱物が存在できるか調べたり、コマチアイトやキンバーライトマグマの成因を提案しました。最近では、マグマと水がどのように共存できるか調べて、沈み込み帯のマグマがどうやってできるか仮説を提案しました。

 

研究テーマ

地球の中の水やマグマの研究をしています。研究の手法は2つあります。
1つ目は、実験室で高温高圧条件を作り、地球内部の条件でなにかどのように起こっているか再現します。このような実験は「その場観察実験」と呼ばれたり「直接観察実験」と呼ばれていて、世界中の研究者が腕を競ってがんばっています。
2つ目は、天然に産出する石の中にある流体包有物と呼ばれる水のカプセルを分析することです。特に沈み込み帯のマントルから地表に運ばれてきたマントルカンラン岩や、深く沈み込んだ高圧変成岩の中にある、炭素と水を含む塩水包有物に注目しています。

 

研究概要

私は、大学生のころから30年研究してきました。その中で提案した重要な仮説は以下のものだと考えます。
1。沈み込み帯のマグマの化学組成を説明するためには、沈み込む海洋プレートからマントルに加わる流体は海水に似た塩水である。
2。 沈み込み帯のマグマは、沈み込む海洋プレートからのシリカに富む超臨界流体が高Mg安山岩と水に分離することで生成される。水はマントルを部分融解して玄武岩マグマを作る。
3。 沈み込み帯の玄武岩マグマは水に飽和していて、地殻中では6%を超える高含水量をもつ。
4。 マントルに存在する水流体に溶け込むケイ酸塩成分は圧力とともにマグネシウムに富む。同様に、圧力が高くなるにつれて含水マントルの融解でできるマグマもマグネシウムに富む。
5。 初期地球にはマグマオーシャンから結晶化した含水鉱物からなるマントル遷移層が存在し、それが上昇する際に融解しコマチアイトマグマができた。プレートの沈み込みで大量の水を250kmよりも深いところにもっていけない。そのため、プレートの沈み込みによって、遷移層が再び含水化するはなかった。
6。 安山岩ーデイサイトー流紋岩マグマは含水玄武岩質マグマの結晶分化または部分融解で作られる。玄武岩は含水マントルカンラン岩の部分融解で作られ、高マグネシウム安山岩は低温低圧条件でのみ作られる。
7。 世界中の火山岩にほぼ普遍的に見られる塵状包有物を持つ斜長石と共存する蜂の巣状組織の斜長石はマグマの過冷却によって形成される。

 

研究分野

固体地球科学、マグマ、マントルの水、高温高圧実験、地球化学、岩石学

 

ひとこと

研究の醍醐味とは、突き詰めると、自分にしかできないテーマを追求できるところです。そのためには、知識や技術や知恵が必要で、研究者はそれを日々得ようとしています。実際になにが必要か列挙してみます。
1。英語。 自然科学は世界中で同時に進歩しています。そのため、日常的に英語で論文を読み書きすることが必要です。
2。論理。 私の研究は算数の知識でなんとかなりますが、論理的に考えることが不可欠です。ただし、たまには、論理を無視することも。。。
3。根気。 注意深い高校生なら実験もできるし、観察もできます。ただ、「その実験や、観察がどのくらい重要か」は高校生に理解できないので、実験や観察が思い通りに行かない時に違いがでます。私がやりたい実験はほとんど失敗の連続ですが、「大事な実験」だと理解しているので、簡単には諦めません。手を替え品を替え、しつこく追い続けます。
4。抽象化。 自然現象は複雑です。その中で「なにがわかることが重要か」考え続けることで、自分が解く研究テーマを探します。また、それを解くための技術を習得します。