19世紀最大の科学者と言われ、小学校の課題図書にもなっている名著『ロウソクの科学』で知られるように一般への科学普及の面でも先駆者であったファラデーは、毎週金曜の夜、一般市民向けに「金曜講話」と呼ばれる講演会を行っていました。市民への科学普及の先駆けであるこの講演会は好評を博し、かつその参加料収入はファラデーの研究の助けとなりました。

 「金曜天文講話」はファラデーの例にならい、毎週金曜日の夜、京大の天文学者が最先端の天文学の研究成果を市民向けにわかりやすく講演し、参加者から頂いた寄附あるいは参加費の一部を京大花山天文台の運営費に活用することを目的としています。

 1929年設立の京都大学花山天文台は、惑星や太陽の研究で世界的な成果を挙げただけではなく、観望会や学校実習の受け入れを通じて、子どもたちや市民が天文学を学び、宇宙や科学への関心を育むのに大きく貢献してきました。しかし、新しいものを作れば古いものは無くすという国のスクラップアンドビルドの方針により、今年4月より運営費を新しい天文台(岡山天文台)に移すことになりました。その結果、今後花山天文台における観望会や学校実習の受け入れが困難になります。なんとかして花山天文台の運営費を確保し、今なお素晴らしい性能を持つ歴史的望遠鏡や貴重な装置を活用した天文学の教育普及の場を残したいというのが、「金曜天文講話」を始める動機です。

 「金曜天文講話」では、京都大学の宇宙の研究者が、専門知識が無くても分かりやすく、かつ最先端の宇宙研究の成果を紹介します。花山天文台へのご支援を兼ねて、最新宇宙研究のわくわくする話を聴きながら、いっしょにわくわくしませんか?

 

京都大学理学研究科附属天文台 台長 柴田一成
同 宇宙物理学教室 教授 長田哲也

 

開催日

2017年10月13日・20日、11月10日・17日・24日、12月1日・8日・15日(全て金曜日)

 

時間

18時30分~20時00分

 

場所

キャンパスプラザ京都
アクセス | 公益財団法人 大学コンソーシアム京都

 

対象

中学生以上

 

定員

100人(先着順)

 

講演予定内容

各回は独立しており、好きなテーマの会だけ参加することもできます。

 
開催日 講演予定/講演者
第15回・10月13日 「宇宙+文化人類学=宇宙人類学」/磯部洋明 総合生存学館 准教授
第16回・10月20日 「クエーサーとは?」/太田耕司 宇宙物理学教室 教授
第17回・11月10日 「ブラックホールという世界」/嶺重慎 宇宙物理学教室 教授
第18回・11月17日 「日本の有人宇宙活動」/土井隆雄 宇宙総合学研究ユニット 特定教授
第19回・11月24日 「恒星とその進化」/野上大作 宇宙物理学教室 准教授
第20回・12月1日 「太陽系外惑星データベースExoKyotoと、新しいハビタブルゾーンについて」/山敷庸亮 総合生存学館 教授
第21回・12月8日 「歴史文献から探る過去の太陽活動」/磯部洋明 総合生存学館 准教授
第22回・12月15日 「ブラックホールが目で見えた!?」/野上大作 宇宙物理学教室 准教授
 

参加申し込み

不要

 

参加費

1,000円(高校生以下は500円)

 

問い合わせ先

「京都花山天文台の将来を考える会」事務局
info*kwasan.kyoto(*を@に変えてください)

 

主催

京都花山天文台の将来を考える会

 

共催

京都大学大学院理学研究科附属天文台、同宇宙物理学教室