脳という小宇宙

脳という小宇宙

スレヴィン大浜華

 

 私たちが起きているときも寝ているときも、ひたすら働き続ける脳。私たちは、その脳がどのように働いているのかをどこまで理解しているでしょうか?

 

 例えば、ひどい片頭痛が起きたときには頭痛薬を服用します。でも、なぜ片頭痛が起こるのか、なぜその薬が効くのかはよくわかりません。

 

 人間の脳内には、千数百億個もの神経細胞があります。細胞間では、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質がやりとりされています。例えば、ある細胞で作られ細胞外に放出されたセロトニンは、別の細胞表面にあるセロトニン受容体に結合します。この結合を合図に、この細胞内で変化が起きます。これが神経細胞間の情報伝達です。

 

 例えばセロトニンのやりとりは、血管の収縮、拡張の調節に関係していると考えられています。このセロトニンと似た働きをするのが、痛みを伴う血管の拡張を緩める働きをする頭痛薬です。

 

 これまでに発見された数十種の神経伝達物質の働きは、分子生物学や遺伝学、コンピューター模擬実験などの手法で研究されています。研究成果の多くは創薬などに応用され人々の日常に役立てられていますが、神経細胞内でのどんな変化が、血管の収縮や喜怒哀楽などの現象を起こしているのかはまだよく分かっていません。これらが明らかになれば、将来もっと副作用の少ない薬を開発したり、人間の心を理解したりすることができるはずです。皆さんも、大学で脳という小宇宙を探検してみませんか。