オホーツク海の流氷観測旅行記

図1: 2020 年2 月19 日の流氷情報, 流氷の密接度が高いと色が濃くなる

 

図2:作成した流氷の分布図

 

図3: 流氷観測船で観察した流氷群

理学研究科 生物科学専攻
動物発生 修士1 年
高野友篤

私の所属するMACS SG8 では、「動的な秩序の発展を追う」をテーマとして掲げ、活動をしている。過去の活動には鳥取砂丘風紋観測や鳥類群体観察等がある。今回、私たちはSG8 の活動として、流氷観測を行った。北海道で見られる流氷はロシアのオホーツク海北岸において作られた海氷が流れてきたものであると考えられている。流氷観測において衛星画像の分析によって沖にある流氷のサイズと長さは測定されている (Marco Gherardi et al., 2015.)。しかし、海岸付近の流氷の形態や特徴はあまり知られていない。今回、私たちは海岸における流氷の形態変化や特徴を調べるために、北海道網走市にて流氷観測をした。
流氷観測は2020 年2 月18 日~19 日に行われた。観測期間中、北海道網走市には多くの流氷が来ていた(図1)。私たちは海岸における流氷のより詳細な分布を知るために、知床ウトロ地区及び網走市北浜駅周辺にてドローンを用いて上空から流氷を撮影した。結果、海岸における流氷の分布図を作成するために必要なデータを得ることができた(図2)。加えて、2 月19 日に流氷観測船「おーろら号」に乗船し、沖の流氷を観察した。こちらはドローンによる撮影は不可能であったが、海岸で観察したものよりサイズの大きい流氷を観察できた。この観察から、流氷は海岸に近づくことで、サイズが小さくなっていることを知ることができた(図3)。
今回の流氷観測で私は、人生で初めて北海道へ赴いた。北国へ殆ど行ったことがないため、気温、生物、建物など、多くのもので発見があった。文献等で知った知識を実際に見て学ぶことができ、大変勉強になる観測会であった。今後も観測会等に精力的に参加していきたいと思う。


参考文献
海氷速報; https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/drift_ice/ice_chart/ice_calendar.html

⿃取砂丘⾵紋観測旅⾏記

砂丘の⾵紋

 

観測の様⼦

 

野⿃の群れ

理学研究科 生物科学専攻
動物発生 修士1 年
吉⽥純⽣

今回、私たちは⾃然界に⾒られる規則的なパターンとして⾵紋に着⽬し、⾵紋の観測調査を⾏った。今回観測場所として向かったのは、⽇本最⼤の砂丘である⿃取砂丘であり、実際に⿃取砂丘で観測された⾵紋の様⼦は右図のようにであった。 ⾵紋を観測するにあたり、なるべく上から観測者の⾜跡などの不要な模様を作らないために我々はドロ ーンを⽤いて⾵紋を上空から撮影した。また、綺麗な⾵紋の形成とドローンを使⽤する都合上早朝の砂丘で観測を⾏った。観測は2019年10⽉30〜31⽇に⾏われ、30⽇では、⿃取砂丘のドローン⾶⾏許可が出ている区域にドローンを旋回させ、観測に適した場所を捜索した。31⽇に観測に適していた区域を中⼼に周囲で形成された⾵紋の観測を⾏った。さらに、31⽇の観測終了後、砂丘付近にある⿃取砂丘ビジターセンターにてレンジャーの⽅から⾵紋が形成されるメカニズムについて教えていただきました。 また、観測の途中で右図のように野⿃の群れが群体 の形態を変えながら砂丘の近くを⾶⾏している様⼦が⾒られた。この⿃の群れの動態をドローンで観測 することで何か新しい⾃然界のパターンに関する⾯⽩いが⾒えてくるかもしれないという議論が観測メンバー内で起こった。 私は昨年度の MACS SG8 でも⿃取砂丘での⾵紋観測に参加させてもらいましたが、今回は前回に⽐べ、天候にも恵まれ、前回よりさらに興味深いデータがとることができました。さらに、⾃分が普段研究している分野とは異なる分野の⼈とも深い交流がとることができ、 SG 全体として新しい研究テーマとなる可能性を持つ現象も⾒ることができ、⾮常に有意義な観測でありました。 今後もこういった観測に⾏ける機会があることを⼼から期待しております。