名誉教授随想『京都からつくばへ』

名誉教授随想『京都からつくばへ』

元数学・数理解析専攻所属・名誉教授  山口孝男

 
 

京都大学では、学生や同僚の皆さんから刺激を受けながら、広い研究室でのびのび教育・研究ができたように思います。いろいろな業務が次第に増えるのに伴い、それに割くべき時間も増えましたが、それでも事務の皆さん、スタッフの皆さんのサポート体制のおかげで教育・研究との両立が果たせた気がします。

私は京大近くの借家に住んでいました。 近くを琵琶湖疎水分線が流れ、時折の散策は、桜、蛍、紅葉と季節感を感じ取れて、京都暮らしの楽しみの一つでした。人から京都の夏は猛暑で大変でしょう、とよく云われましたが、大学は自宅から自転車で5分の距離で、研究室が快適だったせいか、 適当に相槌を打ちながらも、実を言えば猛暑で参ったという経験をせずに済みました。 京都での最後の1年となった昨年度は、以前から京都や関西地区をいろいろ回ろうと計画していましたが、コロナ禍の影響で逆に全く出掛けられませんでした。 今後京都を訪れて、今まで住んでいた街並みを訪れるなど楽しみが増えたと思っています。

現在私は筑波大学で数学の研究を行いつつ、ある私立大学で週一回の連続2コマの非常勤講師をしています。4月中は対面授業が行われ、連続2コマ講義は始めは体力的にきつく感じました。昨年度はコロナ禍もあり体力の衰えが進んだのかも知れません。 その後連続講義には適応することができましたが、体力強化の必要性を実感しています。残念ながら5月の連休開けからはオンライン授業に変更になってしまいました。対面授業は学生と直に接する貴重な機会であることを改めて感じていただけに誠に残念で、このような事態が早く終わることを祈るのみです。 筑波大学数学域では微分幾何学の研究を行っています。 これまで長年に渡って続けて来た崩壊理論関連の研究を、体力の続く限り、 今後はこれまで時間的な制約のため出来なかった研究にも挑戦しながら、進展させて行きたいと考えています。