第58回 玉城嘉十郎教授記念公開学術講演会は、令和元年12月9日(月)午後3時から京都大学北部総合教育研究棟1 階益川ホールにおいて、「界面を考える―物質・エネルギー変換の学理―」をテーマに開催された。
当日は、玉城教授記念学術講演会 実行委員長の渡邊一也 教授による開会の辞、湯川記念財団の九後 太一 代表理事から、玉城教授と湯川 秀樹、朝永振一郎 両博士との関わり等の紹介を交えた挨拶に続いて、国立研究開発法人 理化学研究所 金 有洙 主任研究員、国立研究開発法人物質・材料研究機構 館山 佳尚グループリーダーによる講演が約2時間にわたって行われた。最後に 平島 崇男理学研究科長から、講演者、財団、関係者への謝辞が述べられ、閉会となった。
本講演会は、平成21年度より湯川記念財団より助成を得て共催している。講演会には、理学部・理学研究科及び学内の他研究科の学生、教職員、名誉教授の方々のほか、学外からの一般の聴講者も多く、講演後も活発に質疑応答が行われた。

 

玉城教授記念学術講演会由来

玉城嘉十郎先生は、明治19年(1886年)にご生誕、京都帝国大学理学部において理論物理学を講じられ、在職中53歳の若さで他界されましたが、その門下からは新しい分野を拓く数多くの物理学者が輩出されました。
没後30年にあたり、先生のご意志に基づいて、ご遺族より奨学のために多額のご寄付をいただき、毎年1回ないし2回、公開の学術講演会を開くことになりました。
第1回は大学紛争のさなかの昭和44年(1969年)秋、湯川秀樹先生、朝永振一郎先生を講演者に招いて開催されました。以後50年、回を重ねること今回で58回に達しております。
講演のテーマは必ずしも既存の専門にとらわれず、明日の学問への展望をひらくものを、と心がけて選ばれています。
この玉城記念講演会は、専門の研究者だけでなく学生の参加も多く、またもとより公開でありますので、少数ながら熱心な一般聴衆の方々にも好評を博しております。

講演要旨