企画名

自然科学における統計サンプリングのプログラミング・シミュレーションの実践

参加教員

教員名 職名 所属
林 重彦 教授 化学専攻
高田 彰二 教授 生物科学専攻

関連専攻

専攻名  
数学・数理解析
物理学・宇宙物理学
地球惑星科学
化学
生物科学
●:参加教員の専門分野(所属専攻)・学生を募集する主な分野(専攻)
○:学生・教員から希望があれば参加可能な分野(専攻)
 

実施期間(開講曜日・時間等)

年度・期 開講曜日 時間 場所
平成29年度 前期・後期 水曜日・隔週程度(予定) 第5限(予定) 未定

企画要旨・目的

広範な自然科学において、統計サンプリングは普遍的な計算科学手法である。本 SG では、統計サンプリングに関わるプログラミングやシミュレーションの実践をグループディスカッション形式で行う。基本的には、参加者が自身の興味に基づいて統計サンプリングに関わるテーマの提案及びプログラミング・シミュレーションの実践を行い、グループディスカッションで提案内容、実施結果や実施途中での疑問点等に関して検討を行う。理論的背景の知識や計算機を用いた実践に関する様々なレベルの参加者を期待している。分野外の初学者には基礎的な分子シミュレーションや単純な物理モデルのプログラミング・シミュレーションによる知識・技術の習熟、また既に習熟度の高い学生さんには各自の興味に基づく(おもろそうな)テーマ設定の検討及び実践を行う。このように、多様で自由度の高いテーマに対するプログラミング・シミュレーションとディスカッションをグループで(わいわいと)行い、自然科学における統計サンプリングに関する幅広い視野を養う。

 

問い合わせ先

林重彦 hayashig*kuchem.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 


活動報告

本 SG では、統計サンプリングに関わるプログラミングやシミュレーションの実践をグループディスカッション形式で行った。まず、参加者が自身の興味に基づいて統計サンプリングに関わるテーマの提案及びプログラミング・シミュレーションの実践を行い、グループディスカッションで提案内容、実施結果や実施途中での疑問点等に関して検討を行った。また、関連するテーマの研究を行っている二名の外部研究者を講師として招聘し、セミナーを開催した。

 

まず、SG グループの活動に関して報告する。まず、機械学習による文字認識プログラムコードの実装を行った。ボルツマン機械学習を用いた 3 x 3 の記号認識に関するプログラムを実装し、SG グループメンバーでの共有を行い、方法論及びプログラムの解説と議論を行った。さらに、28 x 28 の文字認識を行うために、deep belief networkを用いた深層学習プログラムコードの実装を行った。次に、分子動力学シミュレーションプログラムコードの実装を行った。まずはニ粒子レナードジョーンズ原子の衝突からスタートし、周期境界条件下でのレナードジョーンズ液体、更には液体状態の水のシミュレーションのプログラムへと発展させた。最後に、分子シミュレーションデータを用いた水分子クラスター構造変化のデータ同化法の開発を行った。上記の開発した水分子のシミュレーションコードを用いて、三量体の水分子クラスターの構造変化に関するデータのサンプリングを行い、後述の松永氏のセミナーで紹介のあったデータ同化の手法を開発・実践し、方法論の理解を高めその有用性を確認した。具体的には、シミュレーションによるサンプリングで得られた速度論的モデル(マルコフ遷移モデル)に対して、仮想系のシミュレーションを実験結果と見立てたデータ同化を行い、仮想系の正しいモデルパラメータを得ることに成功した。

 

次に、外部講師セミナーであるが、最初の講演では、畑中美穂氏(奈良先端大学)を講演者として招聘し、「自動反応経路探索を用いる触媒反応の機構解明と機械学習による効率的解析」というタイトルでセミナーを行い、研究の詳細に関する議論を行った。次に、松永康佑氏(理化学研究所・JST さきがけ)を講演者として招聘し、「機械学習を用いた計測とシミュレーションの統合によるタンパク質動態解析」としてセミナーを行い、研究の詳細に関する議論を行った。

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
林 重彦(代表教員) 化学専攻 教授
高田 彰二 生物科学専攻 教授
岡崎 智久 地球惑星科学専攻 D3
金曽 将弘 化学専攻 M2
小山 糧 化学専攻 M2
長岡 仁 化学専攻 M2
松山 綾夏 化学専攻 M1
村田 隆 生物科学専攻 M1
西尾 宗一郎 化学系 B4
松澤 優太 化学系 B4